「つくばSD2号業務用米」PROCECT
つくばSD2号とは?
「つくばSD2号」は、短稈コシヒカリと「ミルキークイーン」を用いて人工交配を実施し、DNAマーカー選抜(※1)で育成された短稈コシヒカリ低アミロース型品種である。
「ミルキークイーン」は「コシヒカリ」の突然変異により半糯(はんもち)形質を獲得した低アミロース品種である。炊飯米の粘りが強く冷めても硬くならず良食味であるが、コシヒカリ同様に稈長が長く、倒伏し易い。このため施肥を慎重に行う必要があり、収量にも限界がある。そこで短稈で作り易く収量性の高い「ミルキークイーン」型品種の育成を目指し開発された品種が「つくばSD2号」である。
食味と食感そして胴割れなどが少ない品質特性を兼ね備えている事も特徴で、内食(家庭用炊飯米)先とは違うマッチングで、中食・外食産業に高く評価される事となった。
コンビニのおにぎり・お弁当や食堂・ファミレスなど多くの需要先に求められ、お米の国内消費量の4割以上を占める中・外食産業マーケットに適し、今後益々増えるであろうマーケットを支え行く、未来につなげるお米である。
※1:つくばSD2号は、遺伝子組み変えや一代雑種(F1種、ハイブリット種)の品種ではありません。誤った情報に惑わされない様にお願いします。
優良なイネ同士で交配を行う一般的な手法により、選抜育成した固定品種です。
取組み経過
試験栽培から6年目(〜2021年)が経過
JA会津よつばいいで地区担当者から試験栽培の依頼があり、2016年より作付けを開始した。初年度は何も分からない中での試験的取り組みであった為、多肥多収栽培体系とは行かずコシヒカリ同等の収量にとどまった。
しかし、短稈である為に倒伏の危険が全く無い事を実体験でき、次年度の多肥設計への課題整理ができた事は大きな収穫であった。
この6年間の成果としては、コシヒカリより1〜2割りの収量は期待でき、倒伏の危険は極めて少なく栽培しやすい品種である。ただし、多収に必要とする基肥と追肥管理は必要であり、作業軽減へ基肥一発剤で栽培体系をとることが出来るのか、今後の課題となる。
マーケットイン ビジネスモデル
全量買い取りで実需先の決まった取り引きで、所得確保の安定と安心が農家へのメリットである。
昨今の天候不純でもコシヒカリより1〜2割り増収がかない、倒伏しない安心感も大きい。安定所得確保への経営計画の柱として一つ加える事のできるビジネスモデルとして魅力を感じる。
時事変化する消費事情と米政策から、マーケットインの経営戦略も必要である。
需要と供給バランス均衡へ
この6年間継続生産して来ましたが、マーケットの需要に応えられる供給に至っていないのが、我々の生産地の課題です。
ブランド米極上の会津コシヒカリを疎かに出来ない、生産者のプライドもあるのでしょう⁉︎
しかし、会津コシヒカリを超える機能性業務米として、マーケットイン市場は動いています。
この会津でこの米を産地化する動きはこれ迄以上に加速化し、需要に応える生産体制をいち早く確立し均衡できる様、働きかけて行きます。